住環境システム協同組合は、国産木材、兵庫県材の活用を推進しています。
それは、創業者から聞き、受け継いだ思いが根っこにあるからです。
創業者である高柴会長が常に言っていることです。
昔から私たち日本人は、山林との関りを深くもって豊かな生活をしてきました。
当時、山に入り、木を伐り、建築や河川工事や土木工事に欠かせない材木を得る。
また、火を使うための薪や、農業に使うための腐葉土など、あらゆる面で山からの自然の恵みを受けてきました。
1941年に太平洋戦争(第二次世界大戦)がはじまり、国は製鉄等をはじめ軍需物資としての木材を大量に必要としました。
また、戦争下、空爆による火災などの被害を受けた家屋を建て直すために、全国的に木材需要が増し、大量の木を伐採して使うことになりました。
そして、戦後の日本の山は、文字通り丸裸の状態でした。
そこへ、公共事業としての植林が進んで行ったわけです。
1950年には造林臨時措置法が制定され、国からの支援も受けられる山林経営が盛んとなり人工林が増えました。
当時を知る年配の方の中には、「昔は苗木を100本かついで山に上がり、その日は植え終わるまで家に帰れないということもあった」と聞きます。
産業に使う目的で行った植林でしたが、1960年代ごろから外国から木材が大量に輸入されるようになったことで、国産材の需要が伸びなくなる原因にもなり、日本の林業は徐々に衰退してきました。
当時植林した木は、現在、樹齢60年~70年になってきています。
木は、若いころはCO2を勢いよく吸収し、光合成で酸素を排出します。
しかし、60年も超えてくると老化が始まり、CO2を排出する量の方が増えてきてしまうのです。
また、間伐を行っていない山林で、人工林の杉檜が密集した状態のまま育つと、木の1本1本が大きくなれず、根を深く張れなくなり、それが谷筋からの土砂崩れに弱い地形を作る原因になってしまう恐れがあります。
先人たちが植えたこの木を、私たちが伐採し活用することが、山の荒廃を防ぐことにつながり、また、新たに植林することで地球温暖化防止にもつながる。
「地域資源である兵庫県材を活用することで、人にやさしく地球にも優しい持続可能な社会づくりを目指したい」
私たちは、そういう思いで日々の事業に取り組んでいます。
兵庫県産材に特殊な防腐処理を施すことで、一般的には金属を利用して建設される太陽光発電パネルの架台として活用することが可能です。
我々の生活で費やされる木材資源のサイクルでは炭素循環が伴いますが、当事例においては、太陽光発電によるCO2削減だけでなく発電パネルの架台として利用することにより、CO2の貯蔵にも貢献することができました。
着 工:2014年 8月
完 成:2015年 2月
稼働開始:2015年 3月
木製架台には
基礎杭 | 杉(インサイジング加圧注入処理) 150×150×4.0m(換算) 422本 39.78m2 |
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土台 | 杉(インサイジング加圧注入処理) 135×135×4.0m(換算) 672本 48.9888m2 |
梁桁・束・筋交 | 杉(クレオソート現場塗布) 120×120×4.0m(換算) 2,274本 130.9824m2 |
方杖 | 杉(クレオソート現場塗布) 150×150×4.0m(換算) 168本 15.12m2 |
合計:234.8712m2が使用されています。
木材産地:兵庫県宍粟市他
原木調達:山崎木材市場他
木材加工製材工場:(有)竜野ハウジング
木材保存処理工場:さんもく工業(株)